二十の坂を乗り越えて

 当社はこの10月で20歳になりました。十年ひと昔と言いますが、そうなると当社はふた昔前にできた企業です。当社を起業するまで私は、約20年のサラリーマン生活を経験してきたので、社会人としてのキャリアは40年になったということです。最初の20年は、学生時代の第一次オイルショックからの冬の時代を経て、第二次オイルショック、そして、その直後からのバブル経済の真っ只中で世の中を過ごしてきました。バブル経済期には、その好景気を反映して予想外の給与上昇、びっくりするぐらいの賞与を頂いた時期もありました。世の中もバブルの仮想現実に押し流され、浮かれ、華やいでいた時代です。預金金利も7%を超え、10年貯金すれば倍になるような時代でした。しかし、そんな瀟洒な時代も日銀の政策転換とともにはじけ飛びました。そこから延々と不景気が始まったのです。景気の良い時も悪い時もその時代の流れとともに経験したことは、ある意味で貴重な経験でありました。そんなサラリーマン生活の終盤に、働くということの大きな転換を決断させる出来事が起こりました。阪神淡路大震災です。それまでの日常は、景気の上下はあるものの、平穏な生活でありました。しかし、あの突然の、しかも身近な、学生時代を過ごした神戸で大災害が起こるなど想像もしていなくて、その大災害に遭遇して初めて突然人生の幕が下りることを思い知ったのです。その時点から何か自分の意思で、自分の展望でそこからの人生を送りたいと思い始めたのです。そして、震災から3年後の平成10年に意を決し、それまでの会社を円満退職して起業させていただきました。それが、ビジネス・クリックの始まりです。名前のイメージ通り、当時出始めたパソコンを利用した仕事を志し、様々な仕事を開いていこう、そんな意気込みでのスタートだったのです。しかし、世間が考えることは一緒で、その当時からIT関連企業が林立して行ったのです。その結果、事業として思惑通りにはいかず、思案に耽っていたころ、世の中のガソリンスタンドがセルフになる、という知人の情報が入り、奇しくもその新業態に関わる事業をスタートさせたのです。セルフ解禁がまさに平成10年、当社の歴史にオーバーラップしていたのです。その機を同じくしたころから、ITバブルの崩壊が始まっていました。当社がすでにセルフガソリンスタンドの現事業にシフトした矢先でした。瞬時の判断が遅れていれば今は無かったかもしれません。幸運でした。そのころから20年経過したわけですが、いつもながら、振り返ればあっという間の20年です。その20年、多くのスタッフと社員の皆さんに助けていただき、多くの得意先に恵まれ、多くの感動を頂きました。そして、多くのトラブルや失敗にも遭遇しましたが、その時々の人々と力を合わせて乗り越えることができました。感謝です。常々好きな言葉に「以和貴成」があります。和を以て貴しと成す、そう、人の輪が和を成すと信じて止みません。助けることもあり、助けられることもあり、叱咤することもあり、されることもある、そんな喜怒哀楽に満ちた人生が良いと思います。今年は、様々な災害に日本列島は晒されました。自然に逆らうことはできません。しかし、自分の意思で災害を乗り越えていかねばなりません。日常の生活も流れに乗らなければならないこともたくさんありますが、逆境の時こそ視野を拡げてみて、前を向くことが大事だと思います。これからも自分の意思は常に表現して、そして、大いに周りの助言をいただこうと思っています。和を以って前進していきましょう。